デジタルマーケティング成功のために、
いま何が必要なのか
AD EBiS Conference 2019

12月11日(水)に行われた「AD EBiS Conference 2019」の様子をお届けします。

AD EBiS Conference 2019 会場風景

今回のカンファレンスには延べ350人ほどが集まり、「デジタルマーケティング成功のために、 いま何が必要なのか」をテーマに、各業界を牽引する企業のデータ活用や投資判断の事例を共有する"特別な一日"となりました。

それではオープニングの挨拶から、4名のプレゼンテーションとトークセッション2回のプログラム(全4時間弱)をレポートしていきたいと思います。

新社名、新コンセプトに込めた想い

株式会社イルグルム代表 岩田 進

まずはオープニングです。株式会社イルグルム代表 岩田 進から挨拶がありました。

2019年8月に行った社名変更についてです。

「イルグルムという言葉は辞書にのっていない言葉です。他にない新たな会社を作ろうと、語源がない名前をつけました。創業以来、様々なサービスを提供していますが、“データとテクノロジーによって、世界中の企業によるマーケティング活動を支援し、売り手と買い手の幸せをつくる企業になる。”という、新たなビジョンにフルコミットすることで事業を展開していきたいと考えています。」

続いてデータ活用の現場で起きる課題について話題は移ります。

「昨今データの漏洩問題が起きたり、欧州のGDPRやApple社のITP機能などプライバシー保護の問題もあります。そもそもデータが扱いにくい時代になっていると言えるでしょう。プライバシーに配慮しながらデータをどう扱っていくかが、5年10年単位で向き合うべき課題になっています。

アドエビスを『マーケティング“効果測定”プラットフォーム』にコンセプトチェンジしたのも、データを取得する部分にまだまだ重要な課題があると考えているからです。今後も効果測定領域で圧倒的なリーディングカンパニーとして、より徹底的に価値を追求していきます。」

続いて登壇者のプレゼンテーションに移ります。

ITP:2017年9月下旬に公開されたApple・iOS11の「Safariブラウザ」に搭載された、サイトトラッキングの抑止機能

2020年に向けてリーンなマーケティング・プロセスを

株式会社イルグルム 執行役員 CMO 吉本 啓顕

2020年、マーケターが備えるべき“3つの変化”
株式会社イルグルム 執行役員 CMO 吉本 啓顕

吉本からは来たる2020年を前に、「マーケターが備えるべき“3つの変化”」について話がありました。3つの変化はそれぞれ以下の通りです。

  1. “1st Party Data”の活用
  2. 個人情報の規制
  3. マーケティング・プロセスの高速化

吉本は冒頭でデジタルマーケティング業界の変遷を振り返りました。

「データは計測できることで進化が進み、アドテク時代の到来を経て時代はパーソナライゼーションです。アドエビスで取得しているデータの総量は、2017年から3年で約4倍に増えていて、非常に早いスピードで変化が起こっていることがわかります。」

そして、増え続けるデータの中でも“1st Party Data”をいかに活用するかが重要と説き、話は個人情報の取り扱いに移ります。

「2018年にGDPRが施行されて、国家レベルで個人情報保護の動きがあります。マーケターは世界的な動向に注意しつつ、まずはITPの動向を追うことが重要です。
アドエビスのデータでは、スマートフォンユーザーのうち60~70%がSafariブラウザを使用していることがわかり、広告やトラッキングに大きな影響が出ると考えられます。まずは自社への影響範囲の確認から始めていただければと思います。」

また、新製品を開発している点も触れつつ、新しいフレームワークとしてOODAループを紹介しました。

最後は今まで以上に劇的に変化する消費者の状況から、2020年に向けて施策の評価や検証に費やす時間はさらに短くなっていくため、マーケティング・プロセスをリーンに変えていくことが重要になるという話で終わりました。

OODAループ:ウーダ・ループと読む。「Observe(観察)・Orient(方向づけ)・Decide(決心)・Act(実行)」の頭文字で、4つのプロセスからスピーディに意思決定するためのフレームワーク

LTVと投資回収期間を正しく予測する重要性

株式会社エトヴォス 取締役COO 田岡 敬

テーマ:成功に不可欠な組織づくりやデータのマネジメントLTV予測が成功の鍵!
ダイレクトマーケティングで重要な広告投資判断のポイント

株式会社エトヴォス 取締役COO 田岡 敬

田岡氏からはLTV予測について、具体的な投資回収期間の算出方法などを交えたお話をしていただきました。

「LTVは“Life Time Value”の略です。売上を計っている方は多いと思いますが、Valueなので計るべきは利益です。LTVを計測する目的は2つあり、広告のROIが合っているかという絶対基準を見るためと、 ブランド×商品×広告媒体×売り方の組み合わせの中でどれが一番効率が良いかを相対的に評価するためです。」

さらに田岡氏は市場の伸びの鈍化や競合が増えた影響で、投資回収期間が長期化していることに触れ、健全なキャッシュフロー経営のためには「投資回収期間を正しく予測する」ことが重要だと説きました。

ダイレクトマーケティングの広告投資判断で重要なポイントとしては、以下の3つを挙げました。

  1. ブラウザ単位ではなく、ユニークユーザー単位での正確な広告媒体CPAを推測する
  2. 広告の投資回収期間に絶対基準を設け、広告投資全体のROIが健全かチェックする
  3. ブランド×商品×売り方×広告媒体の組み合わせの一つ一つについて投資回収期間を予測し、広告費を効率の良い方へスピーディーに張り替える

会場の声を聞くと特に印象的だったのは、「投資回収期間の予測」だったようです。田岡氏はF2転換率を概算で算出した上で、プライシングテストで価格をマイナス(またはプラス)した場合に、投資回収期間がどう変わるかを早見表で予測していました。

F2転換率:初回購入を行った新規顧客が2回目購入をした割合

投資回収期間早見表

投資回収期間早見表
例)価格がM円でF2転換率がL%だと、投資回収期間はLヶ月
→ 価格が(M–1,000)円でF2転換率がL%だと、投資回収期間は(L–2ヶ月)

非合理すら取り込むデータマネジメントの考え

Sansan株式会社 木下 淳

テーマ:成功に不可欠な組織づくりやデータのマネジメント進化し続けるSansanのデータマネジメント
データを活用したマーケティングを大切にする理由

Sansan株式会社
Sansan事業部 マーケティング部 マネジャー 木下 淳

木下氏からは法人向け名刺管理サービス『Sansan』で行われているデータマネジメントについてお話がありました。

まず冒頭では「それさぁ、早く言ってよ〜」でお馴染みのCMが流れます。ドラマ仕立ての展開に会場もグッと引き込まれました。

木下氏は「オフラインも含め多岐にわたる様々な施策を行なっているので、それらの成果をどのように可視化するかは弊社のマーケティングにおいて重要なテーマです。」としつつ、データ活用事例をご紹介いただきました。

「AI統計ツールのDataRobotを活用して、過去数カ月の架電結果から作成した予測モデルを元にスコアリングし、架電タイミングを計っています。Datoramaはアドエビスと連携させて、全員がオンタイムでデータを確認できるようにしています。」

「それさぁ、早く言ってよ〜」でお馴染みのCM

木下氏は正確なデータをスピーディに測定して、ミクロからマクロまで様々な粒度のデータをメンバー間で共有することと、そのデータを元に迅速なPDCAサイクルを回し続けることがポイントとした上で、最後に以下の言葉をいただきました。

「最も心掛けていることは、データを超えてチャレンジをしていくこと。いま可視化できていない領域に対しても積極的にアプローチしていくことで、社内外から新たな知見を得られたり、テクノロジーの進化の恩恵を受けたりすることができる。ある意味、それも含めてデータマネジメントだと考えています。」

会場風景

デジタルマーケティングの成功に近づくヒントがたくさん

パネルディスカッション風景

テーマ:デジタルマーケティングの成功に必要なものは何かパネルディスカッション
2社の事例から紐解く
デジタルマーケティング成功に必要なこと

株式会社マネーフォワード
SMB本部 マーケティング部 副部長 飯田 真也
SBペイメントサービス株式会社
営業本部 営業推進部 マーケティング課 チームリーダー 木村 憲
株式会社イルグルム
サクセス本部 パートナーサクセス部 パートナーサクセス課 課長 小岡 崇(モデレーター)

冒頭はモデレーター小岡氏を含む3名の自己紹介から始まり、木村氏と飯田氏からマーケティング組織の体制や認知から契約までの流れなど、マーケティングの概要説明がありました。

話はデータマーケティングの成功において重要視しているトップ3に移りました。

データマーケティングの成功において重要視しているトップ3

SBペイメントサービス様は主に「プロモーション施策の評価」がメインで、マネーフォワード様はそこに「ターゲット選定」・「コミュニケーション戦略」が加わります。SBペイメントサービス株式会社 木村氏から施策淘汰についてご説明いただきました。

SBペイメントサービス株式会社 木村 憲

「私たちは施策の歩留を15ヶ月などの長い期間トレースして、比較・淘汰していきます。例え記事広告のCPAが良くても、長期で見て売上が上がらなければその施策はやめます。

B to BビジネスなのでKPIを長いことトレースしなくてはなりませんが、長すぎると待っていられません。失注状況などから早期に判断することもあります。」

また木村氏は事業成長が「加盟店様の決済状況による」といった自社事業の特徴を解説した上で、しっかり施策の歩留まりをトレースすることで、社内上層部にもリード獲得施策の有効性を説明できるようになると力説しました。

株式会社マネーフォワード 飯田 真也

株式会社マネーフォワード 飯田氏からは「マーケターはハブ」という印象的なお言葉をいただきました。

「課題はカバーするKPIの領域が広く、バックオフィスツールゆえ商材理解のハードルが高いといったものでした。なので、あくまでマーケターはハブだと考え、ユーザー理解・施策の質の向上に尽力しています。」

飯田氏は「これがデジタルマーケターのあるべき姿」とした上で、広告の成果を見る際に「Blended」というユニークな数値を見ていると説明がありました。

「広告はPaid / Nonpaid / Blendedの3つの数値を見ています。Paidが好調で、かつNonpaid(主に自然検索)の割合を上げるのが理想です。
BlendedはPaidとNonpaidをミックスしたもので、Paidが好調でもNonpaidの割合が低い場合は、中長期的に見て良くないと判断するのですが、これらの指標をBlendedで見ています。」

最後は飯田氏の「アトリビューション分析の下地ができてきたので、データ環境を整備しつつ、マスやオフラインにもチャレンジしていきたい。」といった意気込みと、木村氏の「決済代行といえばSBペイメントと言われるようにしていきたい。」といった熱い決意表明で終わりました。

具体的な話が多く、まさに「デジタルマーケティングの成功」に近づくヒントがたくさんあったのではないでしょうか?

認知施策でCV数1.13倍アップした全軌跡

株式会社プレシジョンマーケティング 西原 元一

テーマ:広告主と広告代理店のコミュニケーションのあり方デジタルにおける認知施策の適切な出稿時期と効果測定
~広告主と広告代理店のコミュニケーションのあり方~

株式会社プレシジョンマーケティング
代表取締役社長COO 西原 元一

西原氏からは認知施策の成果を最大化した具体例として、学習塾などを展開するクライアント様の事例が共有されました。

当初、認知施策としてディスプレイ広告を出稿したが目立って成果が上がらなかったものの、実はGoogle広告の管理画面ではコンバージョンが想定より遅れて反映されていたことがわかりました。

そこで西原氏はアドエビスの導入を提案して効果測定の基盤を整え、再び認知施策を展開していきます。

「アドエビスで分析してみた結果、我々が立てた仮説は、認知施策はリスティング広告を増やす20日ほど前に大きく予算をかけるべき、というものでした。この仮説をもとに繁忙期(6月中旬〜7月上旬頃)の1ヶ月弱ほど前から認知施策のディスプレイ広告の配信強化をしたのです。」

すると一昨年の同時期に比べて、全体CV数は1.13倍アップといった成果を挙げることに成功しました。

会場風景

西原氏は「まずはアドエビスのようなツールを入れて潜伏期間がどれくらいあるのか、その調査から始めるのがポイントです。」と注意点を伝えつつ、「特に一般キーワードのクリック単価が高騰しているクライアント様は、この認知施策が有効である可能性が十分にあると思います。そのため、認知施策ではターゲティングやクリエイティブだけでなく、出稿のタイミングも考慮することで、CPAを大きく変えずコンバージョンを増やすことができると思います。」と認知施策の有用性をご説明いただきました。

事業主・広告代理店の共通言語はアドエビス

株式会社NTTドコモ 野谷 昌司

テーマ:広告主と広告代理店のコミュニケーションのあり方データを共通言語に
dカード成長の裏側にあった広告主と代理店の円滑なコミュニケーションとは

株式会社NTTドコモ
金融ビジネス推進部 カード営業・営業企画 野谷 昌司
株式会社デジタルガレージ
マーケティングテクノロジーカンパニー パフォーマンスマーケティング本部 ファイナンスマーケティング部 グループリーダー
曽根 健太

最後は「広告主と広告代理店のコミュニケーションのあり方」について、NTTドコモ 野谷氏とデジタルガレージ 曽根氏からご紹介いただきました。

マスのプロモーションも行っているため、俯瞰で見たいという広告主に対して、日次・月次でCPAとCVを見る現場感が強い広告代理店は、そもそも視点に相違があります。

株式会社デジタルガレージ 曽根 健太

しかし、野谷氏と曽根氏はアドエビスのデータを活用して、しっかりと目線合わせができているようです。

広告主である野谷氏からは「事業主・広告代理店の共通言語をアドエビスにすることで指示が通りやすくなり、アドエビスの取得データをPDCAに活用できる」とアドエビス活用のメリットを挙げた上で、広告主と代理店は「掘り下げていくところは違うものの、同じツールを使うことで統一した指標で見ることができる」とお話がありました。

アドエビスを使うことで、広告主と広告代理店のコミュニケーションが円滑になる好事例として、非常にわかりやすい内容だったのではないでしょうか。

最後は懇親会!!

笑顔で談笑する人も真剣にビジネスの話をする人も、お酒を飲んだりご飯を食べたりしながら、良い雰囲気で会は進行して無事お開きとなりました。

懇親会風景

「AD EBiS Conference 2019」は今回で2回目です。このようなイベントはアドエビスにとって未知な部分がまだ多く、これほどまでに多くの方々に来ていただけることに非常に感謝しています。

熱心にメモをしたり、スライドの写真を撮る皆様に少しでも良い情報をお伝えできたのなら、なおいっそう喜ばしいことだと思います。

めまぐるしく変化するマーケティングの世界において、アドエビスはより良いサービスをご提供できるよう努めます。

もし少しでもアドエビスのことが気になったという方は、以下のリンクから資料をダウンロードしてみてください。

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